2005年6月20日(月)17:40

ブレア首相はEU財政計画で強硬姿勢を崩さず

ロンドン(ドイツ通信社)

イギリスのトニー・ブレア首相は、先週のブリュッセル首脳会議でのEU財政計画に対する拒絶姿勢を弁明した。今回は「いつものように大急ぎで取り繕った妥協案」に同意することはできなかった、と首相は下院で述べた。

「それはイギリスにとっても正しい構想ではなかったし、EUにとっても正しい構想ではなかった」。イギリス政府がいわゆるイギリス割引を是が非でも受け取ろうとしたと伝えられているのは正しくない。イギリスが毎年数十億ユーロのEU拠出金を節約しているこの割引制度は、「調整メカニズムに過ぎない」のだ。しかしイギリスがこの割引制度の議論に応じるのは、EU財政の抜本的改革が行われる場合に限られる、とブレア首相は主張した。

たとえばEUはこのグローバル化の時代に、依然予算の40パーセントも農業に支出するなどしてはならない。イギリスはどのみち最大の実質負担国の一つであり、この拠出金割引がなければドイツ以上の拠出を迫られる。これは受け容れ難い、とブレア首相は語った。野党のマイケル・ハワード保守党党首もブレア首相の姿勢を支持した。

一方、他の多くのEU加盟国首脳はブレア首相のエゴイズムと頑なな姿勢を非難した。今年度52億ユーロにのぼると見られる拠出金割引は、もはや時代に対応したものではない、と批判者は主張する。これに手をつけなければ、割引額は次の2007年から2013年の予算期間には年間70億ユーロから80億ユーロに増えるという。そのため、EU議長国のルクセンブルクは、割引額を過去数年の平均額46億ユーロに固定し、しかる後、EU内でイギリスにのみ認められているこの特権を段階的に廃止するよう提案した。

この拠出金割引は1984年にイギリスのマーガレット・サッチャー首相が「私のお金を返してもらいたい」I want my money back と主張して認めさせたものである。しかし、それ以来イギリスはEUの下の中位から、もっとも豊かなトップグループに昇りつめている。

原題:Blair bleibt bei EU-Finanzplanung hart




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